この紹介資料は、IEEE が発行した「Selection of Copper vs. Aluminum Rotors for Induction Motors」という論文に基づいています。
1. 概要:
- タイトル: Selection of Copper vs. Aluminum Rotors for Induction Motors (誘導電動機用銅およびアルミニウムローターの選択)
- 著者: William R. Finley, Mark M. Hodowanec
- 出版年: 2000
- 出版ジャーナル/学会: IEEE (Paper No. PCIC-00-XX)
- キーワード: かご形誘導電動機、ローター構造、アルミニウムダイカストローター、銅バーローター、モーター性能、熱感度、ローター応力。
2. 概要:
かご形誘導電動機では、低コストのダイカストまたは加工アルミニウムローターと高コストの銅バーローターのどちらを使用するかという重要な選択があります。 アプリケーションに間違ったローター構造を使用すると、不必要にコストが増加したり、致命的な故障につながる可能性があります。 この論文は、正しい選択を行うために必要な背景知識を提供します。 ローター構造の基本原理と誘導電動機の動作原理に関する基本情報を説明します。 さらに、さまざまな材料とローター構造のタイプがモーター性能に与える影響を分析します。
3. 序論:
多くの重要なプロセスは誘導電動機に依存しており、故障は非常に大きなコストにつながる可能性があります。 ローター構造 (アルミニウムダイカスト、加工アルミニウム、または銅バー) の選択は、モーターの信頼性とコストに大きな影響を与えます。 この論文は、これらのロータータイプ間のトレードオフについて説明し、銅バーローターはより信頼性が高いと認識されていますが、技術の進歩により、アルミニウムダイカストローターが以前よりも大きな馬力定格で実行可能であることを強調しています。
4. 研究概要:
研究テーマの背景:
費用対効果が高く信頼性の高い誘導電動機の需要が高まるにつれて、ローター構造の材料と方法を慎重に評価する必要があります。
以前の研究の状況:
アルミニウムダイカスト技術が進歩し、より大きなモーター定格で信頼性の高いダイカストローターが可能になりました。
研究目的:
低コストのダイカストまたは加工アルミニウムローターと高コストの銅バーローターのどちらかを選択する際に、適切な選択を行うために必要な背景知識を提供することです。
主要な研究:
さまざまな材料とローター構造のタイプがモーター性能に与える影響を分析します。
5. 研究方法論
研究デザイン:
この論文では、説明的なアプローチを使用して、さまざまなローター構成方法 (アルミニウムダイカスト、加工アルミニウム、銅バー) とモーター性能への影響を比較対照しています。
データ収集と分析方法:
この論文では、確立されたエンジニアリング原理、製造慣行、経験的データに基づいて、ローターの応力、熱挙動、性能特性を分析しています。 一部の比較データは表に示されています。
研究テーマと範囲:
この論文では、次のトピックについて説明します。
- ローター構成方法 (ADC、AlBar、CuBar、CuDC)。
- 締まりばめローターバーの実現。
- ローター応力 (回転および残留)。
- 誘導電動機の動作原理。
- さまざまなローター材料の性能比較。
- 始動に関する考慮事項とローター設計への影響。
- ローターバーの修理。
- 可変速ドライブ (ASD) に関する考慮事項。
- ローターコストの比較。
6. 主要な結果:
主要な結果:
- アルミニウムダイカスト (ADC) ローターは、特に小～中馬力範囲で信頼性が高く、費用対効果が高い。
- ADC 技術の進歩により、より大きなモーター定格での使用が可能になりました。
- 銅バー (CuBar) ローターは、より高い熱容量を提供し、高慣性および頻繁な始動アプリケーションに適しています。
- 加工アルミニウムバー (AlBar) ローターは、ADC よりもコストが高い ADC と CuBar の間の妥協案を提供します。
- ローター応力 (回転および残留) はすべてのロータータイプに存在しますが、その影響は材料と構成方法によって異なります。
- 締まりばめローターバーは、特に CuBar ローターにおいて、振動を最小限に抑え、早期故障を防ぐために重要です。
- 始動条件 (高電流、熱膨張) は、ローターバーとエンドコネクタの応力に大きな影響を与えます。
- ASD アプリケーションには、ローターバーの加熱と振動に関する特定の考慮事項があります。
- CuBar ローターは、一般的に ADC ローターよりもモーターの購入価格が高くなります。
図のリスト:
- 図 1 - ADC ローターの断面図
- 図 2 - AlBar ローターの断面図
- 図 3 - CuBar ローターの断面図
- 図 4 - 3D CuBar ローターの断面図
- 図 5 - ローターバーのスエージング
- 図 6 - 異形ローターバー
- 図 7 - ローターバーとシム
- 図 8 - モーターの断面図 (ローター付き)
- 図 9 - 銅バーローターの高慣性始動時の典型的な熱分布
- 図 10 - 熱分布によるローターバーの熱曲がり
- 図 11 - 始動時のローターバーの曲がりの FEA モデル
- 図 12 - ASD アプリケーションにおけるローターバーティース先端部の電流の流れ
- 図 13 - CuBar と ADC のコスト増加
7. 結論:
すべての状況に「最適な」ローター構造を選択することは不可能です。 製造と設計のトレードオフを理解することで、特定のアプリケーションに対して、望ましい信頼性を最低コストで実現する最適なローター構成方法を選択できます。
8. 参考文献:
- [1] API Standard 541 Third Edition, Form-Wound Squirrel Cage Motors 250 Horsepower and Larger Washington, D.C., 1995
- [2] NEMA Standards Publication No. MG 1-1993 Rosslyn, VA, 1996
- [3] Hodowanec, M.M., and Bezesky, D.M., "Field Motor Testing: Procedures which Limit Amount of Risk Involved, IEEE IAS PCIC Conference Records
- [4] Craggs, J.L., "Fabricated Aluminum Cage Construction in Large Induction Motors," IEEE Transactions on Industry Applications, Vol. IA-12, No. 3, May/June 1976.
- [5] Hartung, E.C., "Fabricated Aluminum Rotor Construction for Induction Motors," IEEE IAS Pulp & Paper Conference Record, 1994.
- [6] Bredthauer, J., and Struck, N., "Starting of Large and Medium Voltage Motors Design, Protection and Safety Aspects," IEEE IAS PCIC Conference Record, 1994
- [7] Phillip E. Hayes, Barry M. Wood, Dennis G. Horn, "Mechanical Design of Induction Motors Applied on Adjustable Speed Drives," IEEE IAS PCIC Conference Record, 1997
- [8] Philip L. Alger " Induction Machines" Gordan and Breach Publishers First published 1965.
- [9] Austin H. Bonnett, "Root Cause of A.C. Motor Failure Analysis" IEEE IAS PCIC Conference Record, 1999
- [10] Metals Engineering, December 1992
9. 著作権:
- この資料は、「William R. Finley, Mark M. Hodowanec」による論文です。 「Selection of Copper vs. Aluminum Rotors for Induction Motors」に基づいています。
- 論文の出典: [論文には DOI URL は記載されていません。]
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