この導入論文は、「[発行ジャーナル/学会名は明記されていません(類似の参考文献に基づき、EuroSimE Conference Proceedingsと推定されます)]」によって発行された論文「[LIQUID COOLING OF BRIGHT LEDS FOR AUTOMOTIVE APPLICATIONS]」に基づいています。

1. 概要:
- タイトル: LIQUID COOLING OF BRIGHT LEDS FOR AUTOMOTIVE APPLICATIONS (自動車用途向け高輝度LEDの液体冷却)
- 著者: Yan Lai, Nicolás Cordero, Frank Barthel, Frank Tebbe, Jörg Kuhn, Robert Apfelbeck, and Dagmar Würtenberger
- 発行年: 提供された抜粋には明記されていません(参考文献に基づくと2006年以降と推定されます)。
- 発行ジャーナル/学会: 提供された抜粋には明記されていません(類似の参考文献に基づくとEuroSimE Conference Proceedingsと推定されます)。
- キーワード: LEDs, automotive headlights, thermal management, liquid cooling, active cooling, CFD, heat sink optimisation.
2. 抄録:
GaNベースの材料技術の進歩に伴い、高輝度白色発光ダイオード(LED)は過去数年間で急速に普及し、屋外照明、タスク照明、装飾照明、さらには航空機や自動車の照明など、多くの新しい照明用途で非常に有望であることが示されています。本稿の目的は、自動車のヘッドライト用途におけるこのようなLEDのアクティブ液体冷却ソリューションを調査することです。本研究では、デバイスから基板、システムレベルまでの熱設計が実施されました。空冷およびパッシブ液体冷却法は不適切であると調査され除外されたため、アクティブ液体冷却ソリューションが選択されました。アクティブ液体冷却システムのいくつかの構成が研究され、最適な熱性能を見つけるための最適化作業が実施されました。
3. 緒言:
発光ダイオード(LED)は、その小型パッケージサイズ、スタイリングの柔軟性、白熱光源に対する優れた性能により、ブレーキランプ、方向指示器、テールランプなど、今日の多くの自動車外装照明に広く使用されています。より高出力のパッケージの開発に伴い、車両の前方照明用途向けの白色LED光源の使用が検討され始めています。LEDの多くの特性は、車両の前方照明にとって非常に有望な光源となっていますが、自動車のヘッドランプとしての白色LEDの使用はまだ初期段階にあります。現在、LEDは一部のコンセプトカーでのみ前方照明として登場しており、ヘッドライト用途に特化したLEDはありません。
現在、LEDは量産車にはルーメン出力が不十分な高コストソリューションです。法的要件ではランプあたり750 lmが規定されていますが、現在の高輝度LEDの平均出力はわずか40 lm/Wであるため、この基準を満たすにはより多くのLEDとより高い駆動電力が必要となります。
光出力の要求が高まるにつれて、LEDの駆動電力は継続的に増加します。LEDパッケージの熱管理は、これらのデバイスの効率、性能、信頼性に大きな影響を与えるため、ますます重要になっています。ダイオード接合部温度の上昇は、LED効率の低下と発光波長のシフトを引き起こします。したがって、最適な効率動作と小さな色変動のためには、LEDの動作温度を最大動作温度(例:< 125 °C)よりも十分に低く保つ必要があります。これを達成するためには、熱ソリューションは包括的であり、デバイス、パッケージ、基板、システムレベルのすべてのレベルで熱問題に対処する必要があります。この用途では、市販のベアダイ高輝度LEDが使用されます。適切な熱管理ソリューションの探索をサポートするために、計算流体力学(CFD)を使用した熱シミュレーションがすべてのレベルで実施されました。熱管理ソリューションの設計は、商用CFDソフトウェアFloTherm [2]を使用してサポートされました。
4. 研究の概要:
研究トピックの背景:
自動車用途、特に前方照明における高輝度LEDの採用拡大は、重大な熱管理の課題を提示しています。より高い光出力の要求は、消費電力と発熱の増加につながり、効果的に管理されない場合、LEDの性能、効率、信頼性に悪影響を与える可能性があります。
従来の研究状況:
これまでの研究では、LEDは車両の前方照明に有望であるものの、標準生産には高コストでルーメン出力が不十分であるといった課題に直面していることが示されていました。効率を確保し、色ずれを防ぐためにLED接合部温度を最大許容限界(例:125°C)未満に維持することの重要性は十分に確立されていました。熱ソリューションは、デバイス、パッケージ、基板、システムレベルを網羅する包括的なものである必要があり、設計と解析にはしばしばCFDが用いられることが認識されていました。
研究の目的:
本研究の主な目的は、自動車のヘッドライトに使用することを目的とした高輝度LED用のアクティブ液体冷却ソリューションを調査、設計、最適化することでした。この研究は、LEDからの熱を効果的に放散し、その接合部温度を安全な動作限界内に維持できる熱管理システムを開発することを目的としていました。
中核研究:
本研究では、さまざまな冷却戦略を体系的に評価し、アクティブ液体冷却システムを設計しました。
- デバイスから基板レベルの設計:
- 選択されたLEDはCree XBright900(900×900 µm青色光チップ)でした。システムは5枚の基板に15個のLED(各基板に3個のLED)で構成されていました。
- LEDは白色光変換のために蛍光体層で個別にパッケージ化されました。パッケージには高熱伝導率のAlN(k=200 W/mK)が使用され、LEDとパッケージ底部間の熱抵抗は2 °C/W未満を達成しました。
- パッケージ化されたLEDは、70 µmの銅層、75 µmの誘電体層(2.2 W/mK)、および1 mmのAlコア基板で構成される絶縁金属基板(IMS)に取り付けられました(Table 1)。
- 代替冷却方法の除外:
- 空冷(パッシブおよびアクティブ): ヘッドランプエンクロージャ内のIMS基板の背後にあるヒートシンクによるパッシブ空冷では、LED接合部温度が125°Cをはるかに超えました(Figure 2)。アクティブ空冷は、スペースの制約、エンクロージャの制限、信頼性の懸念、コスト、および組み立ての複雑さから、非現実的であると判断されました。
- パッシブ液体冷却:
- パッシブクローズドループシステム: 熱的には可能ですが、熱交換器を熱源の上に配置する必要があり、これはヘッドライトの設計制約(LEDモジュールの下に熱交換器が必要)と互換性がありません。
- ヒートパイプシステム(ループヒートパイプ): これらは調整可能なLED基板用に柔軟なヒートパイプを必要とし、法外に高いコスト(例:ユニットあたり1,000ドル)につながります。
- アクティブ液体冷却の選択と設計:
- アクティブ液体冷却が最も実行可能なソリューションとして選択されました。
- システムは、ポンプ、コールドプレート(IMS基板に熱的に接続)、リザーバー、および熱交換器で構成され、フレキシブルホースによって閉ループを形成します。冷却材としては、添加剤(不凍液、防藻剤、防カビ剤など)を含む水が選択されました。
- いくつかの構成が検討されました:
- 並列回路: 熱的には最適ですが、過度に複雑です。
- 直列回路(単一ループ): 圧力損失は高くなりますが、管理可能です。
- 選択された構成(Figure 4): すべてのロービーム(LB)コールドプレートを直列に接続し、次にすべてのハイビーム(HB)コールドプレートを直列に接続し、その後熱交換器に接続する液体ループです。この設計は、ホース数の削減、ホース長の短縮、および取り付けの簡素化という利点を提供し、ループ内の最初のLEDセットと最後のLEDセットの接合部温度差は5°C未満でした。
- 熱最適化:
- 液体流量の最適化: 公称ポンプ流量、実際の流量、圧力損失、およびLED温度の関係が分析されました(Figures 6, 7, 8)。公称流量0.12 l/s、公称圧力ヘッド25 kPaのポンプが、推奨動作範囲内で動作することがわかりました。
- 熱交換器(ヒートシンク)の最適化: 重量削減のためにヒートシンクにはピンフィン構成が選択されました。ベース厚さ(t)、ピン高さ(h)、ピン長さ(l)、ピン幅(w)、およびピン数(Nx、Ny)などのパラメータが繰り返し最適化されました(Figures 9, 10, 11)。
5. 研究方法論
研究デザイン:
本研究は、自動車用LEDヘッドライト向けのさまざまな冷却技術(空冷、パッシブ液体冷却、アクティブ液体冷却)の比較分析を含んでいました。LEDデバイスからパッケージ、基板、およびシステム全体に至るまでの熱問題に対処する、多段階の熱設計アプローチに従いました。アクティブ液体冷却が選択された後、さまざまなシステム構成が研究され、選択された構成はその後、熱最適化の対象となりました。
データ収集・分析方法:
データ収集と分析の主な方法は、計算流体力学(CFD)を用いた熱シミュレーションでした。商用CFDソフトウェアであるFloTherm(バージョン6.1)を利用して、LEDパッケージ、IMS基板、ヒートシンク、およびヘッドランプエンクロージャ内の完全な液体冷却システムをモデル化しました。これらのシミュレーションにより、温度プロファイル、熱流路、および圧力損失特性が得られ、熱管理ソリューションの評価と最適化が可能になりました。
研究トピックと範囲:
本研究は、特に自動車のヘッドライト用途向けの高輝度白色LEDの熱管理に焦点を当てました。その範囲は以下の通りです。
- デバイス、パッケージ、および基板レベルでの熱解析(例:LEDチップ、AlNパッケージ、IMS基板)。
- システムレベルでの空冷(パッシブおよびアクティブ)およびパッシブ液体冷却(クローズドループ、ヒートパイプ)の評価。
- コンポーネント選択(ポンプ、コールドプレート、熱交換器)、冷却材選択、およびシステム構成を含む、アクティブ液体冷却システムの詳細な設計と解析。
- サイズ、重量、製造可能性などの実用的な制約を考慮しながら、最適な熱性能を達成するための液体流量とヒートシンク設計パラメータの最適化に焦点を当てた、アクティブ液体冷却システムの最適化。
6. 主な結果:
主な結果:
- パッシブ空冷は、LED接合部温度を125°Cの制限未満に維持するには不十分であり(Figure 2)、アクティブ空冷は非現実的であると判断されました。
- クローズドループシステムやヒートパイプなどのパッシブ液体冷却法は、設計上の制約(コンポーネントの配置)または過度のコストのため、不適切であることが判明しました。
- アクティブ液体冷却が、この用途に最も適した熱管理ソリューションとして特定されました。
- 特定のアクティブ液体冷却構成が選択されました。それは、すべてのロービーム(LB)コールドプレートを直列に接続し、次にすべてのハイビーム(HB)コールドプレートを直列に接続し、その後熱交換器に接続する液体ループです(Figure 4)。この設計は、ホース数の削減、ホース長の短縮、および取り付けの簡素化という利点を提供しました。ループ内の最後のLEDセットの接合部温度は、最初のセットのLEDよりも5°C未満高いだけでした。
- 液体流量の最適化により、公称流量0.12 l/s、公称圧力ヘッド25 kPaのポンプが、設計された冷却ループに対して推奨動作範囲内で効果的に動作することが決定されました(Figures 6, 7, 8)。
- 熱交換器(ヒートシンク)は、アルミニウム製のピンフィン設計を使用して最適化され、総重量は800グラム未満でした。最適化された寸法と許容設計マージンは次のとおりです。
- 最適化された設計(寸法 mm): t = 5, H > 30, h > 25, l = 4.5, w = 9, Nx=8, Ny=7.
- 許容設計マージン(接合部Tで < 1 °C上昇、寸法 mm): 3.5
(注:最適化されたNx=8の値は、論文の6ページの要約から引用したものです。論文の他のセクションや図では、最適なNxは約40であることを示唆しています。)
図の名称リスト:



- Figure 1. Insulated Metal Substrate assembly. (a) AIN cup with wire-bonded LED, (b) Circuit layer, (c) Dielectric layer and (d) Aluminum substrate.
- Figure 2. Temperature profile across the headlight assembly for passive air cooling (T;=200°C).
- Figure 3. Cold plates and heat exchanger design and their hose connections.
- Figure 4. Active liquid cooling configuration—the liquid loop connects all the LB cold plates in series followed by the HB in series and then into the heat exchanger.
- Figure 5. Full model of active liquid cooling of complete low beam system inside the headlamp enclosure (shown in Figure 4).
- Figure 6. Calculated LED junction temperature (blue) and IMS board temperature (red) as a function of the nominal flow (with a nominal pressure head of 25 kPa)
- Figure 7. Calculated actual flow as a function of the nominal (zero pressure) flow of the pump.
- Figure 8. Pressure vs. flow characteristics for the liquid cooling loop and linear pump characteristics
- Figure 9. Heat sink parameters and dimensions
- Figure 10. LED temperature as a function of pin length and pin width. A) 3D view and B) Contour plot.
- Figure 11. LED temperature as the function of pin number in the X (diamonds) and Y (squares) directions.
7. 結論:
本稿は、新しいヘッドライト用途向けにカスタマイズされた高輝度LED用のアクティブ液体冷却ソリューションの選択と最適化の手順を示しています。空冷およびパッシブ液体冷却は、LED接合部温度を最大許容レベル以下に維持するには不十分であるか、実際の用途では実現不可能であることがわかりました。これらのソリューションの一部は純粋に熱的な観点からは適切かもしれませんが、光学的および機械的設計を考慮に入れるとそうではありません。したがって、適切な熱管理ソリューションを求める際には、ヘッドライト設計のすべての側面を考慮に入れる必要があります。
したがって、これらの状況下では、アクティブ液体冷却が最適な冷却ソリューションとして選択されます。本稿では、アクティブ液体冷却のいくつかの異なるシステム構造が研究され、比較されています。そして、熱性能を最大化するために、液体流量とヒートシンクの熱最適化が実施されます。最適な熱ソリューションの探索において、熱管理だけが焦点となる要因ではありません。製造可能性や製品仕様など、関連するすべての問題も考慮に入れられます。
より明るい白色LEDの開発に伴い、特定の光出力に必要な駆動電力は将来的に継続的に減少するでしょう。したがって、熱放散も減少します。システムの電力要件の低減と熱放散の低下により、冷却ソリューションは再びパッシブ空冷のみに簡素化される可能性があります。
8. 参考文献:
- [1] Pearson, T., Mounier, E., Eloy, J.C., Jourdan, D., "Solid-state lighting in the automobile: concept, market timing and performance,” LEDs Magazine, pp. 25-27, Apr. 2005.
- [2] Flomerics Ltd., FloThermTM 6.1 Instruction Manual, 2005.
- [3] Cree LED Lighting Website [Online]: http://www.cree.com.
- [4] Lai, Y. and Cordero, N., “Thermal management of bright LEDs for automotive applications," Proc. Of the 7th EuroSimE Conference, pp 390-394 (2006)
- [5] Stratford, J and Musters, A, “Insulated metal printed circuits – a user-friendly revolution in power design," Electronics Cooling, vol. 10, pp. 30-34, Nov. 2004.
- [6] Karimpourian, B. and Mahmoudi, J., “Some important considerations in heatsink design," Proc. of the 6th EuroSimE Conference, pp 406-413 (2005)
9. 著作権:
- この資料は、「Yan Lai, Nicolás Cordero, Frank Barthel, Frank Tebbe, Jörg Kuhn, Robert Apfelbeck, and Dagmar Würtenberger」による論文です。「LIQUID COOLING OF BRIGHT LEDS FOR AUTOMOTIVE APPLICATIONS」に基づいています。
- 論文の出典: 論文には記載されていません。
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